こんにちは、
こめまるです。
中高年になると、あれ?あの人の名前なんだっけ?など、顔は分かるんだけど、名前が出てこないことがよくありませんか?
そして記憶力の低下を嘆いたりしていませんか?
実は記憶力には、二つの種類があるそうです。
ひとつは機械的な記憶力、もうひとつは生産的な記憶力です。
だから最近記憶力が低下してきたな、と感じるのは、機械的な記憶力が落ちてきたことに対する感じ方なんですね。
一般に機械的な記憶力は、加齢とともに低下します。一方、生産的な記憶力は本人の努力でその能力を維持また伸ばすこともできます。
今日は、ふたつの記憶力について書きたいと思います。
記憶力の低下 年齢との関係
アメリカに驚異的な記憶力を誇る人物がいたそうです。その人はケネスという名の男性でした。
ケネスは、38才の時に、全米の人口5,000人以上の都市名を全て諳んじたそうです。
しかも、200あまりの主要ホテルの名称と客室数、約1,800の外国都市、各州における最大都市から各市までの距離、3,000におよぶ山河に関する数値などが、少しも違わず頭の中に入っていました。
とにかく天才的な記憶力でしかも関係する数字を短時間で覚えることができました。
こんな記憶力なら、どんなに難しい試験も突破して、さぞかし優秀な科学者になっていただろうと思われますが、実が彼にはこの驚異的な記憶力と引き換えに、論理的な思考能力を持つことができなかったそうです。
そんな彼の精神年齢は、わずか11歳程度だったと報告されています。
京大の名誉教授で、大脳生理学者の大島清氏によると、記憶力には2種類あるそうです。
一つは、機械的な記憶力。もう一つは生産的な記憶力。
先述の男性は、機械的な記憶力だけが驚異的だったわけです。
生産的な記憶力とは、人生をより良く生きるために必要な知識だけを覚え応用していく能力のことです。
つまり先述の男性は、機械的な記憶力だけに特化していて、生産的な記憶力が欠落していたので、精神的な子供程度しかなかったのでした。
そしてこの二つの記憶力は年齢に関係あることが研究でわかっています。
記憶力の低下 加齢とともに低下する
人は生まれるとまず機械的な記憶力を発達させます。
そして生産的な記憶力が発達しだす中学生頃になると機械的な記録力は伸びなくなります。
中学生に頃になると脳の中でも司令塔的な役割を担う前頭連合野が出来上がり、物事を秩序立てて考える能力が身につくようになります。
つまり、最低限の労力で最大の効果が得られるような知恵を持つようになり、子供のころのように闇雲に覚えることをしなくなります。
そしてこの二つの記憶力をバランスよく保てるのは20代までで、30才を過ぎてくると機械的な記憶力が次第に低下し、いわゆるもの忘れが始まってきます。
しかし、ここで加齢に伴う機械的な記憶力の低下を嘆いても仕方ありません。
残された生産的な記憶力を活用すれば生きて行けるのです。
先述の大島教授もこう言っています。
機械的な記憶力を生産的な記憶力で補う努力こそが人を創造的にさせるのだ
と。
記憶力の低下 年齢と関係ない
中高年になれば、機械的な記憶力は、本や資料、いまだとインターネットなどでいくらでも補えます。
むしろ忘れることは大切なことで、いままでの知識や経験、情報を全て覚えようとすると脳はパンクしてしまいます。
中高年になって、もの忘れが激しくなって、「ああ、俺も年取ったなぁ」と悲観することはないのですね。
それは機械的な記憶力が衰えたというよりも、生きて行く上で、大切な情報とそうでない情報を取捨選択できるようになってきたのです。俗な言い方だと大人になったのです。
もの忘れの多さを気にして、「もしかして俺はアルツハイマー?認知症?」
と思うのは、取り越し苦労に過ぎない場合がほとんどです。
もの忘れをするようになったのは、生き方上手になったことの証だと思ってください。
まとめ
しかし、
あなたがもし年のせいで、考えるのも億劫になった、と感じるなら、
それはあなたの怠慢です。
さすがに生産的な記憶力も使わないと衰えます。
最後の大島教授の言葉を贈ります。
脳は使い方次第で無限の可能性を発揮する創造力の源だ。私は40年以上もその研究に携わり、そのことを断言できる。もの忘れをするようになった脳を、諦めてボケさせるか、改めて創造的なものにするか、すべてはあなた次第なのです。
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