こんにちは、
こめまるです。
小説家、重松清氏の著書『定年ゴジラ』が、単行本で出版されたのが1998年3月。
いまから22年前です。
この小説を書くきっかけは、作者の重松氏が、自分の父親が定年後に淋しそうにしている姿を見て、書き出したという小説のあとがきで読んだような気がします。
重松氏は、1963年3月生まれなので僕より5歳年下。
僕の父親は23歳の若さで僕の父となったので、重松氏の父親と多分同世代と思います。
僕もこの小説読みましたが、大手銀行に42年間勤め定年を迎えた主人公の山崎さんの、定年してからの日々と仲間たちとの交流、そして家庭の中で自分の「居場所」を見つけるまでの苦悩を描いた物語です。
ただ、読んだ時一番感じたのは、仲間たちは誰一人働いていないのです。
つまり、働かなくてもいいほどの退職金、年金をもらっていることになります。
だから、現代の人はこの小説を読むと
「恵まれた環境で、なにを贅沢なこと言ってんだよ」
と思う人が多いのではと思います。
さて、今回は、定年後、それも65歳という年金受給開始の年齢から働くか、それともリタイアするかを考えたいと思います。
65歳 二人の父親から学ぶこと
僕の父親は、昭和8年生まれ。
だから今年87歳になりますが、富山で元気に暮らしています。
働き者で、60歳の定年後も長く働いていました。
またリタイアした後も、自分の畑仕事などまめに動いていましたし、今も自分で出来ることは自分でやっています。
ちなみに母親は、3年前に他界しています。
一方、妻の父親は大企業に勤めていましたが、早期退職制度を利用して60歳前に退職。それ以来一切働かず、趣味に明け暮れていましたが、お酒が好きで朝からビールという日もありました。そして現在、84歳にして寝たきりです。
二人とも『定年ゴジラ』世代です。
二人の父親を見ているとどちらも自分たちで選んだ生き方です。特に僕は文句をいうつもりはありません。そして現在の姿もたまたまだと思います。
ただ僕は実父の生き方を参考にしたいと思っています。
65歳 リタイアした方が得って本当?
だから週刊誌は信じないことにしています。
これは、約一年前の記事ですが、週刊Pという週刊誌に、
令和時代の『勝ち組老後』『負け組老後』という特集を組んでいました。その中の記事で、
『働い続けるか リタイアするか』75歳まで稼いでも「460万円の働き損」が生じる
という項目に注目しました。
65歳を迎えたAさんとBさんの生き方で75歳までの比較をしています。
Aさんは、完全リタイアで、年間210万円の年金だけの生活
Bさんは、同様に年間210万円の年金をもらいながら、月収20万円の会社員として働き続ける。
単に10年間の収入だけの話をすれば、
Aさんは、非課税世帯で国保などの保険料も軽減措置で安いので約2,100万円。
Bさんは、年金と給料で、4,500万円ですが、税金や社会保険で約460万円天引きされるので4,040万円。
収入は倍ほど違う。しかも65歳過ぎたBさんを会社は20万円で雇うということは、Bさんは相当仕事に長けた人ということなります。
ところが、週刊Pは、税金や社会保険で天引きされる460万円を働き損と書いています。
そして、完全リタイアであれば、損失はなく、軽減措置も受けられる、としている。
まったく人の人生を損得だけ考えた記事で、いや正確に言うと損得でもなく、社会に貢献していることを損失だというひどい記事です。
最後に
僕は、老後の不安解消には、働き続けること、そして働き方は自分の好きなこと、そして自分のペースで出来る、自営で働き続けることがいいと思っています。
そのため自分自身、そんな生き方を進めていくつもりです。
そこには、損得だけでは測れないものがあると思っています。
今わの際に「大変だったけど楽しかったな」と思いたいのです。
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