こんにちは、
こめまるです。
2月28日(金)封切の映画「名もなき者」を観てきました。
19歳のボブ・ディランが、故郷のミネソタからギター1本と簡単な荷物を抱えてヒッチハイクでニューヨークにやってきた場面から始まります。
いまから60年前のニューヨークが舞台です。
ベトナム戦争や米ソの対立など当時の社会情勢なども盛り込まれていて、ボブ・ディランのことをあまり知らなくても楽しめる作品でした。
映画名もなき者のあらすじ
ニューヨークにやってきたディランは、まず敬愛するフォークシンガー、ウディ・ガスリーが病床についているということで見舞いに行きます。
そこでフォーク界の重鎮ピート・シーガーと出会います。
ピートの後押しでフォーク界の寵児になっていくディラン。
それ以降は観てのお楽しみ。
まだ公開されたばかりですからネタバレ記事を書くわけには行きません。
時代は、1961年から65年。
ディランの傑作「Like A Rollingstone」が聴衆の度肝を抜くところまで描かれています。
僕は高校生の頃、ビートルズ、ストーンズ、ディラン、サイモン&ガーファンクルを夢中で聴いて過ごしていました。
当時の日本は、フォームソング・ブームで、吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫などの曲も聴いて自分でギターを弾いたりしていました。
でも、特に好きになったのはジョン・レノンとボブ・ディランでした。
だから作品中主演のティモシー・シャラメが弾き語りで歌う曲は全部知っています。
しかもシャラメはアフレコなしで完全にディランになり切ってギターを弾き、ハーモニカを吹き、歌っています。
なんとこれに5年間費やしたそうです。
3月3日に発表されるアカデミー主演男優賞にノミネートされているのも頷けます。
冒頭の病床のウディ・ガスリーを見舞うシーンで自作の「ウディに捧げる歌」を弾き語りで歌うのですが、そのシーンで図らずも涙です。
ディランの日本公演に行って
2016年4月にボブ・ディランは、何回目かの来日公演を行いました。
当時ディランは74歳。
年齢的に今後の来日公演もあるかどうかわからないと思い、チケット代もそれなりに高額でしたが、渋谷のオーチャードホールに行ってきました。
当時僕の勤めていた会社は乃木坂駅の近くで、オーチャードホールなら30分もあれば行けるのですが、人使いの荒い会社でしたので、急に仕事を振られるのを嫌い、確か有給を取った記憶があります。
さてコンサートは、時間通りに始まり、特に語りもなく、時間内で披露できる曲をめいっぱい歌って時間通りに終わるという何も足さない、何も引かない内容でとても好感を持ちました。
同時期に来日してマドンナが、開始時間を何時間も遅らせ、観客も帰りが大変だったと聞き、ディランのプロ意識の高さを知ったものです。
また披露した作品も過去の作品も何曲かありましたが、かなり編曲を変えていて、まるで新作のように聴こえたものです。
74歳にして常に進化をし続けるボブ・ディランの姿を見て、まさに「LIKE A ROLLINGSTONE」的な生き方だなと思いました。
※オーチャードホールの入口付近
※ホワイエに展示してあった等身大(多分)の立て看
※ディランが使っていたギターの展示
映画で歌われる曲の収録アルバム
上記のように舞台は、1961年から65年までのニューヨークです。
ディランが、ファースト・アルバムを吹き込んでいるシーンも出てきます。
また自分のアルバムが置いてあるレコード店に立ち寄り、隣のジョーン・バエズのレコードが売れているのに、自分のがほとんど売れていなくてがっかりするシーンも出てきます。
ここでは、作品中でティモシー・シャラメがギターを弾いて歌っている曲が収録されているアルバムを紹介します。
なお、どんな作品が収録されているかは、ぜひ映画を観て自分の耳でご確認ください。
ボブ・ディランのファースト・アルバム
フリーホイーリン・ボブ・ディラン
今作は1963年発表のセカンド・アルバムで、全米チャートでは22位だったものの、全英1位を獲得した出世作だ。公民権運動や反戦運動を通じて広く歌われ、ディランの名を一躍世界に知らしめるきっかけとなったプロテスト・ソングA-1「風に吹かれて」やA-6「はげしい雨が降る」。社会性のあるこうした歌は当時の恋人スーズ・ロトロの影響があったようで、彼女の姿はアルバム・ジャケットに登場するばかりでなく何曲かのラヴ・ソングの中にも見え隠れする。アイルランド民謡をアレンジしたA-2「北国の少女」など、どの歌においても豊かなストーリーを紡ぎ出し、詩人としての才能を開花。フォーク時代の傑作にして、ディランの代表作の一枚である。(1963年作品)
時代は変わるボブ・ディラン
今作は「風に吹かれて」を収録した名作『フリーホイーリン』に続く3作目で、フォーク・シンガーとしての人気を確立した時期の作品。この頃から同じフォーク・シンガーのジョーン・バエズと共に活動することが多くなり、フォーク界の“プリンス”とも呼ばれた。生活苦による一家心中、町の有力者に殴り殺された黒人女性、殺害された公民権運動家の人生など、実際の出来事をモチーフにして書かれた歌はメッセージ色が濃く、プロテスト・シンガーとして大きなツメ痕を残した。タイトル曲「時代は変る」は揺れ動くアメリカと世界を描き、その後多くのアーティストたちにカバーされた。本作からプロデューサーが後にサイモン&ガーファンクルらを手がけフォーク・ロックの誕生に貢献したトム・ウィルソンに変更している。(1964年作品/MONO)
アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
今作はフォークからロックへの過渡期に制作されディランの新局面を見せた重要作。ケネディ大統領の暗殺、スーズ・ロトロとの決定的な破局、ロンドン公演などでの出来事がディラン自身に大きな影響を与える。ディランはプロテスト・ソングから遠ざかり、代わりに彼は内面的な事象を歌うようになり、自分の愛についての曲が増えた。今作はアルバム・タイトルにあるように、これまでのディランとは別の面を収めた4枚目の作品。サウンド面においては後のフォーク・ロックを予感させる出来になっている。後に様々歌い継がれていく「マイ・バック・ペイジズ」「悲しきベイブ」など収録。(1964年作品)
ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
追憶のハイウェイ61
今作には、約6分にわたる長尺の曲ながら、ディランにとって初の全米トップ10入り(全米2位)を果たし、彼の代表曲となった「ライク・ア・ローリング・ストーン」を収録。時代の変革をヴィヴィッドな感性で捉え、アーティストとしてのアイデンティティを確立したといわれ、激動の60年代を象徴するようなロックの名盤である。録音にはアル・クーパー(オルガン)、マイク・ブルームフィールド(ギター)らが参加している。アルバムは、詩作や音作りの面で冒険的かつ意欲的かつ独創性溢れるものとなって結実する一方、全米3位/全英4位を記録しセールス面でもその充実振りを実証した、60年代を代表するロックの名盤。
まとめ
「A COMPLETE UNKNOWN(邦題:名もなき者)」は、ぜひ観てほしい映画です。
ディランの作品が数多く出てきて出てきてファンには堪りません。
またディランと関係するミュージシャンも多く出てきます。
だからそれらを知らないと厳しい部分もあるかもしれません。
でも、ディランが保守的な考え方をぶちやぶり、多様性を求めていく姿に今のトランプ政権下のアメリカだからこそぜひ観てほしい作品だと思います。
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