幻獣ムベンベを追えを読んで 後悔と嫉妬

シニアライフ
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こんにちは、
こめまるです。

『幻獣ムベンベを追え』高野秀行著を読んだ。

何かを始めるのに遅すぎることはない、とよく言われる。
僕もある程度そう思う。でも同じ始めるなら早く始めた方がいいとも思う。

64歳からヴァイオリンの始めたが、学生の時から始めていたらまた違った世界が見えてたかもしれない。

僕は色白でヒョロヒョロしたどんくさい子供だったが、探検小説や冒険ものが好きでよく読んでいた。
小学生の頃は、野鳥や昆虫を追いかけるカメラマンに憧れたこともあった。

冒険・探検を忘れたおじさんは、『幻獣ムベンベを追え』を読んで何を感じたか。

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幻獣ムベンベを追えを読んで

早稲田大学探検部の一行とコンゴの奥地を旅した気分になったが、面白く読み進めながらも後悔と嫉妬の念にも駆られた。

冒険のまね事のようなことをやったのは、高校生の時。
2年生の時、友人と二人で自転車で西に向って野宿しながら鳥取まで行った。
3年生の時は単独で今度は東に向かった。富山から函館まで往復2,000キロを自転車で野宿しながら走破した。

『幻獣ムベンベを追え』を読み終え、探検部員11人と一緒にコンゴに行った気持ちになった。でもそれは頭の中での想像でしかなく、読みながら常に後悔と嫉妬が付きまとった。

大学2年の高野氏が、探検部の合宿でコンゴに怪獣探しに行くと言ってから、視察も含め仲間を集め、各方面に協力を求め、資料を読み漁り、入念な計画を立てそれに沿って装備、食料を調達してめざした当時日本と国交がなかったコンゴ人民共和国の奥地。

コンゴでは面倒な役所関係の交渉から現地の村の迷信や掟、食料をくすねたりする身勝手なポーターたちとやり合い目的地テレ湖に到達。

ジャングルの中では、ツェツェバエ、あぶ、ハチ、蚊、蟻に襲われ、膿とかさぶたにまみれ、雷魚、かわうそ、サル、ヘビ、ワニを食べ、またマラリアにやられる仲間もいて、日本からいきなり現地にワープしたら凄惨な光景を目にするだろう。

しかし高野氏の文章は、淡々とそんな情景を描写し、時にはユーモアを交え過酷な状況を楽しんでいる感じが伝わってくる。

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まとめ

高野氏と同じ大学に通いながら、探検部にも入らず、20歳前後の貴重な時間を無為に過ごしたことが後悔。

また、高野氏をリーダーとする探検部一行は、コンゴに怪獣を探しに行くと決め、しかも十分な計画と準備を行い、したたかな交渉力で約2か月半におよぶ探検旅行をやり遂げたことに賞賛を贈る半面、嫉妬もした。

結局、怪獣は発見できなかったのだが、そんなサバイバルを生き抜いた探検部のメンバーに賞賛を送るとともに嫉妬もしてしまう。

また文庫版のあとがきには、14年後のメンバーのことも書いている。これも面白い。高野氏自身は、辺境ライターとも言われるノンフィクション・ライターとなり、多くの著書を出しているのでこれから読んでいきたい。

「ああ、俺も探検部に入れば良かったなぁ」と妻に言ったら「これからでも好きなとこ行ったら」と返された。
何かを始めるなら早い方が良いと思う。でも遅すぎることもないと思う。



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