僕がよく引き合いに出す内館牧子著「終わった人」は、
突っ込みどころ満載ですが、それで話題になり、
ベストセラー、映画化もされたのだから、
ビジネスとしてみれば、内館氏の手腕は大したものです。
主人公、田代壮介は、
63歳で出向先の企業を常務で退職、
何もしなくても悠々自適に生活できるのに
そんな何もできないことに悶々とする。
そして通いだしたスポーツジムで知り合った若き経営者鈴木と出会う。
そして紆余曲折があり、鈴木の会社の顧問になる。
もともとメガバンクもトップを狙ったほどの田代は、
鈴木の事業に夢中になり、往年の輝きを取り戻す。
その後は、物語は驚きの展開をし、
田代壮介は社長にまでなります。
興味ある方は読んでください。
これは小説ですが、現実は小説よりも奇なりです。
今日は、定年前後に中小企業を買収して経営者になる、
なれる可能性について考えたいと思います。
定年後 なぜ中小企業が買収できる環境なのか?
まず、やってみようという意欲のある人でないと難しいですね。
前述の「終わった人」の主人公田代壮介は、成り行きで社長になり、
厳しい状況に置かれることになります。
まず、やってみようという意欲がない人はやらない方がいいです。
でも興味がある人は意外と低いハードルで出来る時代になりました。
実は日本の中小企業の半分は、廃業の危機になります。
その7割が個人企業です。
また休業、廃業の余儀なくされる企業の半分は黒字経営なのです。
では、なぜ廃業しなければならないのか?
後継者がいない、見つからないのです。
そこで、親族以外の外部の人材に事業を継承してもらうために
会社を売りに出す経営者が増えています。
定年後 中小企業を買収する情報を得るには
中小企業を買収して経営をしたいという人は、
やる気はもちろんですが、数百万円のリスクを取れる
金融資産を持っているのが望ましいです。
そして、経営、マネジメントの経験があればなお良いです。
最後に何と言っても雇われない働き方をしたくない、という気持ちも大事です。
僕なんかは、もう雇われる働い方をしたくないという気持ちは強いですが、
数百万円のリスクを取れる金融資産を持っていなので、
そんな人にはまた別の働き方があるので、改めてお伝えします。
さて、退職金の話をすると大企業で平均約2,200万円、
中小企業で約1,300万円だそうです。
なるほどね。中小企業を退職した僕は、実感としてわかります。
ちなみに公務員だった僕の妹の夫は、僕の1.5倍の退職金をもらっていながら、
「いや、安くてねぇ」なんていうので、多少むかつきました。
サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 (講談社+α新書) [ 三戸 政和 ]
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「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」の著者で、
日本創生投資代表の三戸政和氏は、
「大企業の管理職としてPDCAを回していたような人であれば、
中小企業の経営者は十分務まる」
と語っています。
定年後 中小企業の経営者になる人のリスク
会社を経営する以上、もちろんリスクはあります。
いやそこが一番気になるところだと思います。
ただ、最近では会社の債務について
経営者に個人保証を求めないよう
当局がガイドラインを出していて、
もし会社が破綻したとしても影響が限定的です。
まとめ
長く企業に勤めて、定年を迎え、
また雇われる働き方を続けるのも、
いやいや、これまで家族のため自分を殺して勤めてきたけど、
もう扶養義務のなくなったのだから定年を機に雇われない働き方をしたい、
という人も多いと思います。
この記事を書いている私もその一人です。
でもいかんせん先立つものがないのは、何ともしがたいです。
しかし、現役時代、経営・マネジメントに携わって
自分なりに経営の絵を描いたことがある人は挑戦してもよいと思います。
なんせ人生は一度限りですからね。
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