こんにちは、
自称ゴジラマニアのこめまるです。
『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』。
昨年11月3日に公開され、アカデミー賞の視覚効果賞も受賞して大ヒットしましたね。
この作品のヒットで、普段はゴジラにあまり興味のない人たちも、それまでのゴジラ映画に関心を示すようになりました。
私は、所属するコミュニティで映画研究会(以下映研)の管理人をしています。
映研のメンバーは、当然映画好きが集まっています。
しかしみんながみんな、ゴジラ映画を見てきたわけではありません。
中には、初めて見たというメンバーもいました。
私は公開前から『ゴジラ-1.0』の素晴らしさを語っていたので、公開後作品を見たメンバーから、
「ゴジラの映画もっと見たくなった」
「何から見たらいいの」
「見る順番教えて!」
という声が寄せられました。
そこでゴジラ映画を歴代全作品から見てきた私が、
「これ見るといいよ。この順番で見ればいっぱしのゴジラ通になれると思う」
と無料で見られる34作品から、8作品を厳選して見る順番で提案したのです。
そうしたら、メンバーから「これでゴジラのことしっかりわかるようになった!」と喜びの声が届きました。
その反応に気を良くした私は、このゴジラ映画の見る順番情報をコミュニティ内だけに留めておくのはもったいない。
この8作品を見ない、知らないは、損をしていると思いブログで公開することにしたのです。
せっかくなので無料で見られる方法も、後半の方でお伝えしますね。
ゴジラを見る順番おすすめベスト8
私が、映研のメンバーに喜んでもらった、ゴジラ映画のおすすめベスト8と見る順番を以下にご案内します。
ゴジラ:1954年 記念すべき第1作
ゴジラ第1作目は、1954年(昭和29年)11月3日に公開されました。
実はこの年の3月にアメリカが南太平洋で水素爆弾の実験を行い、日本人にも深刻な影響を引き起こしたのです。
この実験によって日本の漁船第五福竜丸が被爆し、乗組員の一人が約半年後に亡くなりました。
1954年と言えば、敗戦からまだ10年も経っていない時代。
しかも水爆実験の恐怖もあり、戦争と核実験の恐ろしさを形にしたのがゴジラだったのです。
そんな恐怖そのもののようなゴジラが、東京の市街地を破壊していくのです。
これがチャチな演出と作りなら、その後のゴジラシリーズはなかったかもしれません。
しかし特殊撮影を担当したのが円谷英二氏。
のちの怪獣ブーム、ウルトラマンシリーズの生みの親になった方です。
円谷氏による手の込んだ精巧な職人業で東京の中心街を再現し、それをゴジラが破壊するというリアルさで成功したのです。
のちにジュラシックパークを製作したスピルバーグも、ゴジラ第1作目から影響を受けています。
ゴジラが近づいてくるのに合わせて、水たまりに波紋が広がるのですが、ジュラシックパークでも、近づくティラノサウルスの足音に合わせて、水たまりに波紋が広がるシーンがあります。
その他、議会で事なかれの男性議員に対し、女性議員がやりこめるシーンなど小ネタの中にも見るべきシーンが多くあり、志の高い作品に仕上がっています。
とにかくこの第1作目を見ずしてゴジラは語れません。
ゴジラの逆襲:シリーズ化原点の2作目
「ゴジラの逆襲」は、前年に公開された第1作目の「ゴジラ」の大ヒットを受けて製作された2作目。
急遽製作されたためか、完成度はいまいちのような気もします。
しかし、元々考えられていなかったゴジラ映画のシリーズ化を予期させる作品となりました。
それはその後のシリーズ化に欠かせない、怪獣同士の闘いシーンを初めて描いたからです。
ゴジラに対抗してアンギラスを登場させ、激しい戦闘シーンを繰り広げました。
初めて見たとき、意外と俊敏に動き回る2頭の怪獣には驚きました。
また、製作が敗戦から10年目の1955年(昭和30年)ということもあり、敗戦体験をずっと引きずっている仲間たちとの友情と団結を描ている点も胸が熱くなります。
この部分などは、「ゴジラ-1.0」にも引き継がれています。
キングコング対ゴジラ:世紀の初対決
「キングコング対ゴジラ」は、前作から7年を経過した1962年(昭和37年)の東宝創立30周年に合わせて製作された作品。
しかも相当高額なロイヤリティを支払って、アメリカの生んだモンスター、キングコングを登場させ、初めてゴジラと対決させた記念すべき作品です。
おかげで観客動員数1,255万人を記録する(「ペン・プラス」2019年5月25日号より)大ヒットとなりました。
この動員数は、ゴジラ映画では、その後も抜かれることはなく「シン・ゴジラ」で569万人(同誌より)、「ゴジラ-1.0」で公開から約半年で503万人を突破したことを考えると凄い数字です。
しかも内容は、その後のシリーズ化を決定させた娯楽要素に富んだもので、高度成長期のサラリーマンの奮闘ぶりをコミカルに描いたり、当時の上昇志向の世相を生き生きと感じさせる傑作です。
第1作の重厚で深刻な雰囲気とは真逆の明るく軽快な雰囲気は、まさにゴジラ人気を大人だけではなく子供たちにも広めた作品となりました。
サラリーマン時代が長かった私には、当時のサラリーマンを悲哀も込めながらもコミカルに描いたこの作品が大好きです。
ゴジラ対ヘドラ:公害問題を考えた作品
「ゴジラ対ヘドラ」は、1971年(昭和46年)の作品。
前年に大阪万博が開かれ、日本の高度成長期もマックスに達したと思われる時期に「いつまで浮かれているんだ」と批判した作品です。
当時、高度成長の代償として公害が大きな社会問題になっていました。
その公害問題を形にしたのが怪獣ヘドラです。
しかもヘドラは、最初はオタマジャクシくらいだったのが、成長して巨大は怪獣になってしまうのです。
このアイデアは、韓国ポン・ジュノ監督の「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)、「シン・ゴジラ」(2017年)にも応用されています。
ゴジラ映画は、その時代に応じて社会問題なども盛り込んでいますが、明確に主張しているのは、第1作「ゴジラ」の反戦・反核、そして「ゴジラ対ヘドラ」の公害問題、1989年公開の「ゴジラ対ビオランテ」のバイオテクノロジーへの怖さ、だと思います。
この作品は、戦後日本の高度成長期の陰の部分を知る上でも見るべき作品です。
ゴジラ:誕生30年で原点回帰の快作!
1984年ゴジラ誕生30周年に公開された「ゴジラ」。
’62年公開の「キングコング対ゴジラ」以降、ゴジラ映画は娯楽性を前面に出し、子供たちのアイドルとなりました。
夏休み、お正月映画の定番となった感がありました。
しかもテレビで「ウルトラQ」やウルトラマンシリーズが放映され出すと、まさに怪獣はお茶の間の人気者で、ゴジラもその一員になったという印象でした。
しかし一方で、第1作ゴジラを知る私には寂しい限りで、そんな大人たちにもアピールできる「恐ろしいゴジラ」を再現した作品です。
この作品では、ゴジラに立ち向かう総理大臣始め日本政府と自衛隊が、凛々しく描かれています。
そして当時まだ19歳だった沢口靖子さんが出演しているのも、私には嬉しい作品です。
ゴジラ対デストロイア:最後の闘いか!
東宝ゴジラ第22作目として、1995年に公開された「ゴジラ対デストロイア」。
「ゴジラ死す」という衝撃的なキャッチフレーズで公開。
また第1作への強いオマージュを感じさせる作品で、劇中で第1作のシーンが何度か登場するし、第1作のヒロインで山根博士(志村喬)の娘恵美子を演じた河内桃子さんが同じ役で出演するなど、往年のファンにはたまらない作品です。
またTVキャスター役の石野陽子さんが、あれ、この人こんなに美人だったんだと私には懐かしく感じさせてくれた作品です。
ゴジラ:ハリウッド版は圧倒的存在感!
1998年にハリウッド版「GODZILLA」が、日本で公開されました。
しかし、その作品は、イグアナのように華麗に水中を泳ぐ様子がおもしろかったけれど、どうも日本のファンには人気がなかったようです。
そんな不満を晴らしてくれたのが、2014年に公開されたハリウッド版2作目の「GODZILLAゴジラ」。
しかも東宝の第1作目をリスペクトした作品で、ゴジラを恐怖の存在として描いています。
現代の深刻な自然災害である地震、津波、海水面上昇、そして核の恐怖をゴジラとして描いているのです。
それを圧倒的な予算と高度な手法で描いているので、ハリウッド映画の凄さを痛感した作品でした。
シン・ゴジラ:政府は国民を守れるか?
2017年に公開された「シン・コジラ」は、ゴジラ映画というより、ゴジラが襲ってくるという災害に見舞われた政府がどう動くかをテーマにした作品。
結局、そんな大問題を解決していくのは、組織内では異端児扱いされている連中だという痛快な作品でした。
しかも映像の撮り方が面白い。
現代は誰でもスマホで、事件や事故現場を撮ることができますが、ゴジラ出現の予感を一般市民の目線で、じわじわと恐怖を掻き立てていく手法がおもしろい作品でした。
以上、ここに挙げた8作品は、ぜひ時系列順に見てほしい私がおすすめする作品です。
それらは、U-NEXTで視聴できます。
しかも初めて利用する方でも、31日間無料トライアルを利用すれば、すぐに見られるのが嬉しいですね。
また、8作品も一気に見られないよという方は、第1作の「ゴジラ」(1954年)、「キングコング対ゴジラ」(1962年)、「GODZILLA」(2014年)、「シン・ゴジラ」(2017年)は、ぜひ見てほしいです。
※画像の引用先:2014年7月18日金曜日発刊の夕刊フジ特別版付録の全ポスター画掲載紙面より
シン・ゴジラのみ、「ペン・プラス」2019年5月25日発行の紙面より。
全て筆者所有資料から撮影。
歴代ゴジラ映画人気ランキングと比べた
みんなのランキングというサイトがあります。
そのサイトには「歴代ゴジラ映画人気ランキング」という項目もあり、訪問者からの投稿でランキングされています。
↓
歴代ゴジラシリーズ映画人気ランキング!みんながおすすめする作品は?
私はどの作品がどんな順番でランキングされているのか気になり、早速チェックしてみました。
そうすると私のおすすめ作品とは、かなり違う作品がランキングされているのです。
そこでランキングされた各作品の中から、私がいくつか厳選して見る順番と合わせてご紹介します。
なお私がランキングをチェックしたのが2024年10月24日現在のもので、2,223名の方が、ランキングの投稿をされていました。
ランキング1位-10位
- 1位:ゴジラ-1.0(2024年)
2位:ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年)
3位:ゴジラVSデストロイア(1995年)
4位:ゴジラVSキングギドラ(1991年)
5位:シン・ゴジラ(2017年)
6位:ゴジラ(1954年)
7位:ゴジラVSメカゴジラ(1993年)
8位:ゴジラVSビオランテ(1989年)
9位:ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年)
10位:ゴジラ FINAL WARS(2004年)
ランキング1位から10位までチェックして感じたことがあります。
それは、比較的新しい作品が上位にランクインされていることです。
東宝で製作されたゴジラ映画は、昭和で16作品、平成で13作品、令和では「ゴジラ-1.0」のみです。
しかし上位10位以内には、昭和ゴジラは第1作目の「ゴジラ」だけです。
つまりランキングに投稿した方は、40代までの比較的若い世代ではないかと想像できます。
それでも1954年(昭和29年)公開の第1作目が、6位という上位にランクされているのは、この作品の偉大さを知ると共に私のおすすめも間違っていなかったと、確信しました。
また私がおすすめした8作品の内、3作品がランクされているのも嬉しいです。
見る順番としては、「ゴジラ-1.0」を見た人なら「ゴジラ」1954年、「ゴジラ対デストロイア」、「シン・ゴジラ」の順がおすすめです。
※ハリウッド版ゴジラ(2014年)が公開された時ミッドタウンに現れたゴジラ像(筆者撮影)
ただ残念だったのは、ハリウッド版のモンスターヴァースシリーズでは、2014年の第1作目「ゴジラ」ではなく、2作目の「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」がランクインしていることです。
共に渡辺謙が主演級で出演していて、2作目にはキングギドラ、ラドン、モスラといった人気怪獣が勢ぞろいしているからと思います。
しかし私には、モンスターヴァース・シリーズでは、2作目よりも1作目のゴジラ登場の衝撃は忘れられないのです。
ランキング11位-20位
- 11位:ゴジラ×メカゴジラ(2002年)
12位:ゴジラVSスペースゴジラ(1994年)
13位:ゴジラ対ヘドラ(1971年)
14位:ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003年)
15位:三大怪獣 地球最大の決戦(1964年)
16位:モスラ(1996年)
17位:ゴジラVSモスラ(1992年)
18位:怪獣総進撃(1968年)
19位:モスラ対ゴジラ(1964年)
20位:ゴジラ(1984年)
次に11位から20位まで見てみましょう。
この順位になるとようやく昭和ゴジラが、5作品ランクインしてきました。
※新宿に現れたゴジラ(2018年筆者撮影)
その中での注目は、13位の「ゴジラ対ヘドラ」。
私がおすすめする8作品にも入れていますが、見ている人はちゃんと見ているんだな、と嬉しく感じました。
またこのランキングからモスラ人気もうかがえます。
ゴジラが登場しない「モスラ」1996年はじめ、モスラが登場する4作品がランクインしているからです。
怪獣映画では、常に人間の味方なのはモスラだけですからね。
さて、ここでの見る順番は、私が泣く泣くおすすめから外した「モスラ対ゴジラ」1964年、「ゴジラ対ヘドラ」そして「ゴジラ」1984年です。
ランキング21位-33位
- 21位:ゴジラ対メカゴジラ(1974年)
22位:キングコング対ゴジラ(1962年)
23位:ゴジラ×メガギラス G消滅作戦(2000年)
24位:メカゴジラの逆襲(1975年)
25位:ゴジラvsコング(2021年)
26位:ゴジラ2000 ミレニアム(1999年)
27位:GODZILLA ゴジラ(2014年)
28位:GODZILLA 星を喰う者(2018年)
29位:GODZILLA 怪獣惑星(2017年)
30位:ゴジラの逆襲(1955年)
31位:ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃(1969年)
32位:GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年)
33位:GODZILLA ゴジラ(1998年)
ここは中位以下にランキングされた作品たちです。
その中で、なんでお前がこんなところに、と思わせる作品が3つあります。
22位キングコング対ゴジラ、27位GODZILLA ゴジラ(ハリウッド版2014年)、30位ゴジラの逆襲の3作品です。
この3つは私がおすすめした作品です。
この結果には、正直少しショックでした。
そこでその理由を考えてみました。
先にも記しましたが、ランキングサイトに投稿している方は、40代くらいまでの比較的若い世代が多いように思います。
つまり戦争体験やその後の高度成長期の日本を知りません。
当然私も体験はしていませんが、私が子供の時は、親をはじめ周りの大人たちが戦争の話をよくしていました。
また高度成長期の中で便利になっていく世の中を子供ながらに経験しました。
その体験の違いがランキングとの差として現れたのかなと思います。
またGODZILLA ゴジラ(ハリウッド版2014年)も27位と下位なのは、原発事故という重いテーマだからかな、と思います。
※東宝本社前のシンゴジラ像(筆者撮影)
見る順番は、まず第1作ゴジラを見てから、ゴジラの逆襲、キングコング対ゴジラ、ゴジラ(ハリウッド版2014年)の順で見て頂ければ、きっとそのおもしろさがわかると思います。
まとめ
いやー、ランキングサイトからも色々考えさせられましたね。
映研のメンバーからも「ゴジラ-1.0」を見たので、他の作品も見てみたいという要望に対して、
私が、先に挙げた8作品を見る順番ですすめると「えー、8つも見るのー」とメンバーの中から不満そうな声もあがりました。
私は、U-NEXT 31日間無料トライアルを使えば、無料で見られるからだまされたと思って見てね、と返しました。
それでも、忙しんだよね、というので、最低第1作目の『ゴジラ』だけでも絶対見てね、と返しまし、できれば『シン・ゴジラ』もね、と付け加えました。
ゴジラは、日本が生んだ世界的なキャラクターで、スーパー・モンスターです。
あのスピルバーグも『ジュラシック・パーク』の中で、『ゴジラ(1954年)』のアイデアを使っています。
なお残念ながら『ゴジラ-1.0』はU-NEXTでは見られません。
その代わりAmazon Primeで見られますし、Blu-rayも合わせて紹介しておきます。
『ゴジラ-1.0/C(マイナスワン/マイナスカラー)[Blu-ray]』
山崎貴監督が手がけた『ゴジラ-1.0』のモノクロ映像版。山崎監督が目指した「怖いゴジラ」の原点ともいえる1954年の第1作『ゴジラ』を彷彿させる世界観が見どころ。
ゴジラは、これからもずっと見続けていきたい映画作品です。
コメント