『リング』朗読で再読 透明な語りが導いた極限の人間ドラマ

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こんにちは、
こめまるです。

作家の鈴木光司氏がつい先日の5月8日に亡くなられました。
新聞記事で知ったのですが、68歳だったとのこと。

68歳?
僕と同じだ!

調べれると1957年5月生まれとのことで、まさに同い年の同学年。
この年齢になると同世代の方が亡くなるとショックです。

40代頃までは、ああ、そんなものか、と思ったものですが、65歳を過ぎ世間的に高齢者と言われるようになると「明日は我が身」と思わないでもありません。

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『リング』をAudibleで再読

鈴木光司氏の訃報に接し、追悼の意を込めて『リング』をAudibleで聴き通しました。
30年前の記憶はほぼ消えていましたが、改めて向き合った物語は、世間に広まった「おどろおどろしいホラー」のイメージを覆す、熱く切ない人間ドラマでした。

[第1弾] リング: (KADOKAWA) Audible Logo Audible版 完全版

同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。――そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。

丸山雪野の朗読で没入

今回、朗読を担当していた女性の語り口はどこか硬く、一本調子にも感じられました。
しかし、驚いたことに聴き進めるうちに朗読者の存在を完全に忘れ、物語そのものに深く没入している自分に気づいたのです。

過度な演出がない分、作品の骨格がダイレクトに脳内に響く。それは、ある種の高度なテクニックであったかのようにさえ感じられました。

主人公と友人の極限の連帯

そこで見えてきたのは、極限状態における「人間の連帯」です。
時間に追われ感情を乱す主人公・浅川に対し、友人の竜司は常に冷静沈着。

緻密なロジックで仮説を立て、命を救う道筋を峻別していく。
二人が手を取り合い、一週間という猶予の中で必死に解決策を模索する姿は、単なる恐怖小説を超えた「挑戦と成長」の記録そのものでした。

それだけに、知略を尽くした竜司が命を落とす結末はあまりに辛く、その遺志を継いだ浅川が妻子の元へ車を走らせるラストシーンの緊迫感には、手に汗握るものがありました。

リングというタイトルの意味

僕は、会社員時代、ジュエリー業界のそこそこ大手と言われる会社に30数年、定年まで勤めていました。

もっともジュエリー業界には、圧倒的な大企業はありませんので、世間的には中小企業にしか過ぎませんでしたが。

だから、当初この『リング』というタイトルを見て、ジュエリーが関係するのかと思ったものです。
事実、僕の業界の友人は、ジュエリー関係の小説かと思って手に取ったそうです。

さて、僕は現在でもどうしてもこのタイトルがしっくり来ません。

ringは主に「指輪」や「輪」を指す名詞、または「(ベルなどが)鳴る」「鳴らす」を指す動詞です。

名詞では輪状のものを指し、動詞では電話をかける(英国口語)、試合のリングなど様々な意味で使われています。

名詞の主な意味
・指輪: 結婚指輪(wedding ring)や指輪全般。
・輪、環、リング: 物を囲む円形の輪。
・電話(をかけること): 「Give me a ring.(電話して)」という英国口語。
・リング、舞台: ボクシングやレスリングなどの試合の場。

動詞の主な意味
・鳴る、響く: ベルや電話が鳴る(The phone is ringing.)。
・鳴らす: ベルを鳴らす(Ring the bell.)。
・電話をかける: (主に英国)電話をする。

僕は当初、「輪廻」と関係するのかと思ったのですが、英語では「Reincarnation」

結局のところ恐怖がぐるぐる回るという意味合いで付けられたのではないか、と想像しています。

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まとめ

『リング』シリーズは「貞子」というアイコンの影に隠されていた、物語本来の圧倒的な推進力。

演出に頼らずとも心に迫る、稀代の傑作であることを再確認した、鮮烈な読書体験となりました。

シリーズ第1作目を読んで、いや聴いた印象では、まだホラー小説の入り口に立ったという感じです。
どうも映像の「貞子」のイメージが先走りしている感じです。
同い年で逝った鈴木光司氏への供養も込めて、リングシリーズの作品をaudibleと合わせて映画も改めて観ていこうと思います。

ただ怖いだけはない、何かを見つけることが出来るかもしれません。



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